海外研修報告

2019アメリカ研修1日目報告

1日目 2019年 6月30日(日)

 

 ついにアメリカに出発する日がやってきました。朝から激しい雨が降る中、多くの保護者の方や先生方に集まっていただきました。校長先生、学年主任の先生から熱いエールを送られ、生徒たちもいよいよ研修が始まると言う実感がわいてきた様子です。ご家族にバスに乗る間際まで声を掛けられ、校門の外まで立って見送ってくださる先生方に手を振って学校を出発すると、車内は期待と多少の緊張からかかなり賑やかな雰囲気に。成田空港までは渋滞もなく予定よりも早く到着しました。

雨の中の出発式

家族ともしばしのお別れ

 

 今回が初めての海外渡航と言う生徒にとっては、すべてが初めての経験です。チェックインやセキュリティは友達同士で確認しながら行っていました。出国手続きは機械化が進んでおり、パスポートをかざすだけの非常に簡単なものです。そのあっけなさに少々戸惑う生徒もいたようです。各手続きや搭乗券の見方についての説明には皆真剣な表情で聞いており、きっと近い将来、自分一人で海外に行くこともできるだろうと感じました。出発ゲートまで移動した後、時間に余裕があったので自由時間としました。すでに外国人も多い環境にそわそわした様子の生徒たちでしたが、経由地デトロイトでの入国審査に向けて、予習を怠らない姿が印象的でした。

成田空港で

掲示板でゲート番号を確認

 

 成田空港までは順調に進んでいましたが、機内に乗り込んだ後機材整備の関係で一時間ほど待機となりました。ですが、機内のエンタテイメントや CA さんとの会話もあり、プラス 1 時間の空の旅を満喫したようです。
 デトロイト空港では、お待ちかね?の入国審査がありましたが、こちらもまずは機械で質問に答え、写真や指紋を取ります。予想とは違う流れに困惑しつつ、その後は想像通りの審査官との審査もありました。審査官によっては一言で終わり拍子抜けする生徒、中には想定していたことを全て聞かれた!と言う生徒も。予習が役立ったようです。
 その後はボストン行きの便までの空き時間を有効活用しようと、班別自主研修の計画表を作成してもらいました。班ごとにガイドブックやインターネットから情報を出し合っていると、思った以上に時間を要しましたが、全員がまずはこの課題を仕上げようと言う真剣な時間でした。

デトロイト空港到着

班別での話し合い

 

 そろそろ疲れもピークなはずの生徒たちのテンションが、ボストンに来て一気に上がりました。車窓から見えるボストンの昔ながらの町並みに眠気も吹っ飛んだように歓声を上げ、日本との違いにすっかり心を奪われていました。滞在するフィッシャーカレッジの寮もかなり趣のある建物ですが、今の彼女たちにとってはすべてが魅力的に映るようです。
 明るいスタッフとも早速英語でやり取りをし、興奮冷めやまぬアメリカ初日となりました。明日から本格的に研修がスタートしますが、毎日多くの刺激を受けながら、新しい経験をしてほしいと思います。

ボストン空港で

寮のスタッフと

2018アメリカ研修9日目報告(最終)

9日目 2018年7月23日(月)

 

 アメリカでの生活もとうとう最終日。生徒達のしおりには、NYの人の多さや飛び交う言語についてのコメントが多く書かれていました。NYも魅力的な街ですが、1週間過ごしたボストンへの愛着、人の優しさ、上品な街並みにはかなわないようです。すでにボストンホームシックになっている生徒も。自分たちの足で歩いて様々な経験をしたボストンは生徒達の第二の故郷になっているように思います。
 本日最初に訪れたのは国連本部です。通常平日には加盟国の国旗が掲げられるのですが、前日に引き続き雨模様の為見ることが出来ませんでした。屈強な警備のいる入り口から入り、手荷物検査、金属探知機での検査等、空港のセキュリティチェック並みの検査を受け、漸く中へ。まずは国連内部のガイドツアーに参加しました。ここでは総会や安全保障理事会で使用される会議室を見学することができました。毎年9月の第3週目の火曜日より国連総会が始まり、日本でもニュースとなりますので、報道や授業等で目にしたことはありますが、今回自分の目で見ることで、より身近に感じることができると思います。その後、太田女子高校対象の現役国連職員との座談会が始まりました。今回お話しくださったのは、武器の武装解除の仕事をされている松野様でした。武器や武装解除についての詳しいお話から、なぜ国連職員になったのか、どういうパスウェイを辿ったのか、というお話を聞くことが出来ました。生徒からは、国連職員になる為のスキル、試験内容、今の仕事のやりがい、大変さ、お給料(!)についての質問が次から次へと挙がり、所定の時間をオーバーするほどで皆の関心度の高さがうかがえました。

 

■国連での様子 

■左)生徒代表(ボランティア)のお礼

 その後は、自由の女神が遠望できるバッテリーパーク、世界同時多発テロの現場である世界貿易センター跡地へ。2001年に発生した世界貿易センターでのテロでは、約3000名の方が命を落とされており、跡地には全犠牲者の名前が刻まれたメモリアルが造られました。既に跡地の横には世界貿易センター以上の高層ビル「Freedom Tower」が建てられており、過去ばかりを見ず前進する・テロに屈しない、というアメリカらしさを感じることが出来ました。またメモリアルには犠牲者の名前が刻まれていますが、名前はアルファベット順ではなくそれぞれの人間関係や、職場でのデスクの配置を考慮して並べられています。生徒たちは自分たちが生まれる直前に世界を震撼させた出来事を教科書やメディア越しではなく、自分の目で見ることによって様々なことを考えていたように見受けられました。

■バッテリーパークにて

■911メモリアル

 

 この研修の最後を締めくくるのは、ニューヨークで活躍されている群馬県出身の方々をお招きしての会食・交流会です。平日お忙しい中、男性1名、女性2名の3名の方々にお越し頂きました。中には太田女子高校をご卒業されたOGの方も。仕事や職業選択に関して、また高校時代にすべきことなど、社会人の視点から有意義なお話が聞けました。生徒たちの多くにとっては憧れのニューヨーク、その一線級で活躍されている同郷の方々なので、懸命に話を聞き今後の進路の参考にしていただけたのではないかと思います。ゲストの皆さまからは「夢を持ってなんでもやって見て欲しい。」「自分のやりたいことをやり通し、将来ここでみんなが後輩たちに語れるようになってほしい」、「大学を選ぶ際は何をしたいか考えて選ぶべき」等のエールをいただき、大変充実した時間となりました。ボランティアの生徒代表よりお礼の挨拶をしてもらい、本研修の全てのプログラムが終了となりました。太田女子高校の交流会に毎回来てくださるゲストの方より「やっぱり太田女子の子たちは素直で楽しい、元気がもらえる」という嬉しいお言葉を頂くこともできました。この1週間と少々、様々な事を経験し考え、それが彼女たちの個性と相まってより魅力や存在感が増しているためそのように感じられたのだと思います。今回の交流会で得たものを今後の進路や将来設計にも生かしてもらえることを期待します。

 

■交流会の様子

 

 明日はいよいよ帰国に向けての移動となります。終日移動日となりますため、報告はこちらが最終となります。ここまでアメリカでの研修を全うできたことは本当に生徒一人一人とご引率の先生のご協力、日本より支えてくださった保護者の皆様や学校の先生方のサポートをいただいたからこそ、だと実感しております。これまで報告書をご覧いただき、また事前研修から運営を支えていただきまして、誠にありがとうございました。残すは移動のみですが気を抜かずに最後まで研修をすすめてまいります。25日に全員が笑顔で学校に帰着するまで今しばらくお待ちください。

2018アメリカ研修8日目報告

8日目 2018年7月22日(日)


 いよいよボストン出発の日を迎えました。「もっとボストンに居たい」「寂しい」「途中挫折しかけたけど今は来てよかった、帰りたくない」という声が聞こえてきます。本日の天気はその生徒達の気持ちを表すかのような雨模様です。予定よりも早い7:00集合でしたが、6:30過ぎごろから、各フロア協力して荷物の運び出しを行っていました。実は寮のエレベーターは1基しかないのですがフロアは7階まであります。その為スーツケースを持っての移動は大混雑が予想されるので生徒達が事前に知恵を絞り協力して運び出す流れとなっていたようです。見事、5分前には全員が忘れ物もなく集合が出来ました。この団体行動には先生も私も驚きです。フィッシャーカレッジ出発前、今までお世話になりいつも優しく接してくれていたスタッフAshleyへ、全員のメッセージが入った色紙をプレゼント。起案、実行、渡すタイミング、全て生徒達が自主的に考え行動に移しました。これにはAshleyも顔を真っ赤にしながら1人1人へハグでお返し。フィッシャーカレッジに太田女子生徒の爪跡が十分残せたと思います。傍で見ていたこちらも目頭が熱くなる瞬間でした。

■Ashleyとのお別れ

 往路時の経由地であったニュージャージー州のニューアーク・リバティー空港に到着後、隣のニューヨークへはバスで移動となります。驚いたことに、ニューヨークは朝までは大雨だったようなのですが、到着時には太陽の光が射すほどでとてもツイていました(生徒達の元気がこの天候にしたのだと信じています)。ニューヨーク州は人口2,000万人、そのうちニューヨーク市は幅約4キロ、長さ約25キロの小さな面積に160万人ほどがおり全米No1の人口密度の高いエリアです。経済、ファッション、エンターテイメントの中心地であり24時間人が往来し、終電もありません。人種も様々、世界の一流が集まるこの街は世界中の人を魅了して止みません。
 フードコートにて早々に昼食を摂った後、タイムズスクエアにて1時間弱の散策タイムとしました。アメリカは現在夏休みの為、全米・世界各地からの観光客でニューヨークは常に混んでおり特にタイムズスクエアは様々な人種の方や言葉が飛び交っていました。観光客目当ての大道芸人やスリも多くなるのでいつも以上に注意を払わなければなりません。このような状況の中、お目当てのものを抱えて再集合場所に何事もなく集合することが出来ました。短時間では多くは回れないと踏んだ生徒達はピンポイントに行きたいところを絞り攻めたようです。いうまでもありませんが、全員5分前行動が出来ておりました。

■タイムズスクエアにて

 その後、研修の目玉の一つであるブロードウェイミュージカル「ライオンキング」を鑑賞しました。
 ブロードウェイを夢見て世界中から一流のダンサーや歌手だけでなく、舞台関係者が集まるため、全てのレベルが桁違いでオープニングから鳥肌が立つほどです。冒頭から迫力のある歌と踊りに心を奪われ、演出に大感動!勿論、全て英語ですが、体全体で雰囲気や勢いを感じることが出来ますし、リスニング力がついてきた生徒たちは、聞こえた単語をひろい意味を理解できたのではないでしょうか。何よりも、この年代で一流に触れられた経験は、彼女達に非常に大きなインパクトを与えるはずです。ホテルでの夕食後は連日の疲れもあるので各自ゆっくりと休んでもらいました。

■ライオンキングの劇場、ミンスコフシアタ―にて

 とうとう明日が最後の研修となります。ラストを飾るプログラムは国連訪問とニューヨーク群馬県人会の方々との交流会です。今後の将来像を描くとてもいい機会になるはずです。最後までトラブルが起こらないよう、気を抜かず全員で走りぬきたいと思います。

2018アメリカ研修7日目報告

7日目 2018年7月21日(土)

■寮の前の様子   

 ボストン最終日の7日目、生徒達が「一番楽しみにしていた」と言う班別自主研修の日となりました。本日も引き続き、天気に恵まれ絶好の自主研修日和です。

 朝はいつもよりゆったり10:00集合、本日はカフェテリアが閉まっていたので、スタッフからベーグル、フルーツ、ヨーグルト、オレンジジュースなどが入った軽食を受け取ります。この1週間、余程疲れが溜まったのでしょう、2部屋の4名が寝坊をしてしまい遅刻となってしまいました。自分の行動が他のメンバーに影響を与えてしまう事、何より自分の時間を無駄にしてしまっている事、遅刻をした人もそうでない人もこの次はどう行動すればいいか、をチーム全体で考えてもらい、改めて一人一人が意識して行動できるよう話しました。
 寮出発前に「無理なこと・危険なことはしない、お互いを思いやる」ことを最優先に、遅れる場合、迷った場合等何かあった場合は必ず電話をすること、そして、思い切り楽しむこと!を約束し、各班が事前に立てたプランをもとにそれぞれの場所へ出発。
 再集合時間は18:00です。時間通りに戻ってくることができるか、道に迷わないか等ドキドキしながら皆の帰りを待ちました。また、いつハプニング発生の電話が鳴るかと待機していましたが心配無用。無事全グループが時間迄に、たくさんの笑顔とお土産と思い出とともに戻ってきました。人の優しさに触れてメンバーの団結を深めつつ、ボストンを思いっきり楽しむことができたようです。しっかりとルールと時間を守って行動した皆に感謝です。

■生徒よりもらった班別自主研修中の様子

■班別自主研修を終えて
  

【1班】

【2班】

【3班】

【4班】

 ボストン最後の夕食ですが、これまでの生徒達の様子から先生とも相談し「皆なら問題ない」とお墨付きをもらい、各グループで好きなお店で食事をすることとなりました。ボストンは夜8時を過ぎても太陽が出ていますので、20:00を再集合時間に設定、スタッフからご厚意で現金で夕食代をもらい、再度ボストンの街へ出かけていきました。その後の集合時間ももちろん問題ありません。時間管理力やチームワーク、リーダーシップ等、今後必要となるスキルに磨きがかかっていることが分かります。自分たちの力で得たこの外食の機会は更に生徒達に自信を与えたのではないでしょうか。
 明日はNYへの出発日。遅刻は絶対に許されませんが、今の生徒達であればきっと問題なく集合できるはずです。実は、7:15集合にしていたところ、「今まで良くしてくれたスタッフに全員でお礼を言いたい」と申し出があり、更に余裕を持って7:00集合にすることとなりました。また、もう明日は会えないかもしれないスタッフへは全員が「thank you」と言いに行く場面も。太田女子生徒の優しさ、礼儀正しさ、自主性や積極性を垣間見ることができ胸が熱くなる瞬間でした。

 

■スタッフへお礼中の様子

NYでも素敵な出会い・経験が沢山待っています。気持ちを新たに残りの研修期間を全うできるよう、引き続きサポートしてまいります。

2018アメリカ研修6日目報告

6日目 2018年7月20日(金)


 本日も太田女子生徒の元気と比例して雲一つない快晴、外で動くと流石に汗は出ますが、とても過ごしやすい気候が続いています。
 いよいよ、語学学校の授業も最終日。最初は緊張の連続であったと思いますが、あっという間の5日間でした。「今日は3回発言した」「次はもっと授業に参加する」「今日で最後だと思うと寂しい」という声があちこちで聞こえました。昨日できなかったことを今日達成する、それぞれが方法を考え行動する自主性や積極性も増しているように思います。戦苦していた英語に関しても、授業内容が理解できとても楽しくなる、留学生との会話も初日とは比較できないほど活発です。

■クラスメイトと


 午後のアクティビティは、でフィッシャーカレッジから地下鉄で20分程度の場所にあるCambridge Side Galleriaというショッピングモールに出かけました。前日まで、タイトなスケジュールをこなしていましたので、本日の比較的ゆったりとした時間に生徒達もリラックスしている様子。道中に、フィッシャーカレッジから徒歩5ほ分どに位置するCopley Square 周辺へ。ここはボストンの民間経済の中心とも言われ周辺にはお洒落な店が並ぶニューベリーストリート、興味のそそる雑貨屋さんも沢山あります。ニューイングランド地方No1の高さを誇るジョン・ハンコック・タワー、その隣には1877年に創設されたステンドグラス装飾が美しいトリニティーチャーチが混在し新旧の融合が素晴らしい場所でもあります。1895年に造られたアメリカ最古の公共図書館「ボストン公共図書館」もあります。今回は時間の関係上、中に入ることはできませんでしたが、興味のあるグループは明日の班別自主研修で訪れてほしいと思います。その後、Cambridge Side Galleriaへ。昨日同様、今回も現地解散、フィッシャーカレッジで再集合としました。自分たちの力だけでの移動は、大きな自信と達成感を生徒に与えているようです。この自由行動時も、タイムマネジメント・協調性・主体性が必要となります。昨日の失敗を本日活かしてくれると信じフィッシャーカレッジで待機。ほとんどのグループが時間内に帰宅、多少の遅れはあったものの、問題なく再集合することが出来ました。

■トリニティーチャーチにて


■Cambridge Side Galleria にて


 イブニングアクティビティでは今週末にフィッシャーカレッジを離れる太田女子生徒をはじめ他の留学生達と合同で Graduation Ceremony が行われました。1 人1 人に修了証と記念のT シャツが渡されます。生徒達はその T シャツにお世話になった語学学校のスタッフや、1 週間共に悲喜こもごものドラマを繰り広げた留学生たちとメッセージを書き合い、残り少ない僅かな時間を楽しんでいました。外見の様子からなかなか話しかけられなかった留学生たちに勇気を出してやっと声を掛けた生徒は「とても優しかった!」とコメント。先入観で判断せずトライ&エラーをする必要性を実感したようです。到着したばかりの頃は積極的になり切れず、悔しい思いをする生徒も多くいましたが、今夜は本当に多くの生徒が楽しそうに留学生や語学学校のスタッフ達と笑い合い、時には涙し、共に良い時間を過ごしていました。それぞれの努力と、太田女子というチームの結束力がこの素敵な時間・経験を創り上げたのだと思います。
以上、6 日目の報告書と致します。

 

■夕食時

■Graduation Ceremony