2018アメリカ研修9日目報告(最終)

9日目 2018年7月23日(月)

 

 アメリカでの生活もとうとう最終日。生徒達のしおりには、NYの人の多さや飛び交う言語についてのコメントが多く書かれていました。NYも魅力的な街ですが、1週間過ごしたボストンへの愛着、人の優しさ、上品な街並みにはかなわないようです。すでにボストンホームシックになっている生徒も。自分たちの足で歩いて様々な経験をしたボストンは生徒達の第二の故郷になっているように思います。
 本日最初に訪れたのは国連本部です。通常平日には加盟国の国旗が掲げられるのですが、前日に引き続き雨模様の為見ることが出来ませんでした。屈強な警備のいる入り口から入り、手荷物検査、金属探知機での検査等、空港のセキュリティチェック並みの検査を受け、漸く中へ。まずは国連内部のガイドツアーに参加しました。ここでは総会や安全保障理事会で使用される会議室を見学することができました。毎年9月の第3週目の火曜日より国連総会が始まり、日本でもニュースとなりますので、報道や授業等で目にしたことはありますが、今回自分の目で見ることで、より身近に感じることができると思います。その後、太田女子高校対象の現役国連職員との座談会が始まりました。今回お話しくださったのは、武器の武装解除の仕事をされている松野様でした。武器や武装解除についての詳しいお話から、なぜ国連職員になったのか、どういうパスウェイを辿ったのか、というお話を聞くことが出来ました。生徒からは、国連職員になる為のスキル、試験内容、今の仕事のやりがい、大変さ、お給料(!)についての質問が次から次へと挙がり、所定の時間をオーバーするほどで皆の関心度の高さがうかがえました。

 

■国連での様子 

■左)生徒代表(ボランティア)のお礼

 その後は、自由の女神が遠望できるバッテリーパーク、世界同時多発テロの現場である世界貿易センター跡地へ。2001年に発生した世界貿易センターでのテロでは、約3000名の方が命を落とされており、跡地には全犠牲者の名前が刻まれたメモリアルが造られました。既に跡地の横には世界貿易センター以上の高層ビル「Freedom Tower」が建てられており、過去ばかりを見ず前進する・テロに屈しない、というアメリカらしさを感じることが出来ました。またメモリアルには犠牲者の名前が刻まれていますが、名前はアルファベット順ではなくそれぞれの人間関係や、職場でのデスクの配置を考慮して並べられています。生徒たちは自分たちが生まれる直前に世界を震撼させた出来事を教科書やメディア越しではなく、自分の目で見ることによって様々なことを考えていたように見受けられました。

■バッテリーパークにて

■911メモリアル

 

 この研修の最後を締めくくるのは、ニューヨークで活躍されている群馬県出身の方々をお招きしての会食・交流会です。平日お忙しい中、男性1名、女性2名の3名の方々にお越し頂きました。中には太田女子高校をご卒業されたOGの方も。仕事や職業選択に関して、また高校時代にすべきことなど、社会人の視点から有意義なお話が聞けました。生徒たちの多くにとっては憧れのニューヨーク、その一線級で活躍されている同郷の方々なので、懸命に話を聞き今後の進路の参考にしていただけたのではないかと思います。ゲストの皆さまからは「夢を持ってなんでもやって見て欲しい。」「自分のやりたいことをやり通し、将来ここでみんなが後輩たちに語れるようになってほしい」、「大学を選ぶ際は何をしたいか考えて選ぶべき」等のエールをいただき、大変充実した時間となりました。ボランティアの生徒代表よりお礼の挨拶をしてもらい、本研修の全てのプログラムが終了となりました。太田女子高校の交流会に毎回来てくださるゲストの方より「やっぱり太田女子の子たちは素直で楽しい、元気がもらえる」という嬉しいお言葉を頂くこともできました。この1週間と少々、様々な事を経験し考え、それが彼女たちの個性と相まってより魅力や存在感が増しているためそのように感じられたのだと思います。今回の交流会で得たものを今後の進路や将来設計にも生かしてもらえることを期待します。

 

■交流会の様子

 

 明日はいよいよ帰国に向けての移動となります。終日移動日となりますため、報告はこちらが最終となります。ここまでアメリカでの研修を全うできたことは本当に生徒一人一人とご引率の先生のご協力、日本より支えてくださった保護者の皆様や学校の先生方のサポートをいただいたからこそ、だと実感しております。これまで報告書をご覧いただき、また事前研修から運営を支えていただきまして、誠にありがとうございました。残すは移動のみですが気を抜かずに最後まで研修をすすめてまいります。25日に全員が笑顔で学校に帰着するまで今しばらくお待ちください。