2018年7月の記事一覧

2018アメリカ研修9日目報告(最終)

9日目 2018年7月23日(月)

 

 アメリカでの生活もとうとう最終日。生徒達のしおりには、NYの人の多さや飛び交う言語についてのコメントが多く書かれていました。NYも魅力的な街ですが、1週間過ごしたボストンへの愛着、人の優しさ、上品な街並みにはかなわないようです。すでにボストンホームシックになっている生徒も。自分たちの足で歩いて様々な経験をしたボストンは生徒達の第二の故郷になっているように思います。
 本日最初に訪れたのは国連本部です。通常平日には加盟国の国旗が掲げられるのですが、前日に引き続き雨模様の為見ることが出来ませんでした。屈強な警備のいる入り口から入り、手荷物検査、金属探知機での検査等、空港のセキュリティチェック並みの検査を受け、漸く中へ。まずは国連内部のガイドツアーに参加しました。ここでは総会や安全保障理事会で使用される会議室を見学することができました。毎年9月の第3週目の火曜日より国連総会が始まり、日本でもニュースとなりますので、報道や授業等で目にしたことはありますが、今回自分の目で見ることで、より身近に感じることができると思います。その後、太田女子高校対象の現役国連職員との座談会が始まりました。今回お話しくださったのは、武器の武装解除の仕事をされている松野様でした。武器や武装解除についての詳しいお話から、なぜ国連職員になったのか、どういうパスウェイを辿ったのか、というお話を聞くことが出来ました。生徒からは、国連職員になる為のスキル、試験内容、今の仕事のやりがい、大変さ、お給料(!)についての質問が次から次へと挙がり、所定の時間をオーバーするほどで皆の関心度の高さがうかがえました。

 

■国連での様子 

■左)生徒代表(ボランティア)のお礼

 その後は、自由の女神が遠望できるバッテリーパーク、世界同時多発テロの現場である世界貿易センター跡地へ。2001年に発生した世界貿易センターでのテロでは、約3000名の方が命を落とされており、跡地には全犠牲者の名前が刻まれたメモリアルが造られました。既に跡地の横には世界貿易センター以上の高層ビル「Freedom Tower」が建てられており、過去ばかりを見ず前進する・テロに屈しない、というアメリカらしさを感じることが出来ました。またメモリアルには犠牲者の名前が刻まれていますが、名前はアルファベット順ではなくそれぞれの人間関係や、職場でのデスクの配置を考慮して並べられています。生徒たちは自分たちが生まれる直前に世界を震撼させた出来事を教科書やメディア越しではなく、自分の目で見ることによって様々なことを考えていたように見受けられました。

■バッテリーパークにて

■911メモリアル

 

 この研修の最後を締めくくるのは、ニューヨークで活躍されている群馬県出身の方々をお招きしての会食・交流会です。平日お忙しい中、男性1名、女性2名の3名の方々にお越し頂きました。中には太田女子高校をご卒業されたOGの方も。仕事や職業選択に関して、また高校時代にすべきことなど、社会人の視点から有意義なお話が聞けました。生徒たちの多くにとっては憧れのニューヨーク、その一線級で活躍されている同郷の方々なので、懸命に話を聞き今後の進路の参考にしていただけたのではないかと思います。ゲストの皆さまからは「夢を持ってなんでもやって見て欲しい。」「自分のやりたいことをやり通し、将来ここでみんなが後輩たちに語れるようになってほしい」、「大学を選ぶ際は何をしたいか考えて選ぶべき」等のエールをいただき、大変充実した時間となりました。ボランティアの生徒代表よりお礼の挨拶をしてもらい、本研修の全てのプログラムが終了となりました。太田女子高校の交流会に毎回来てくださるゲストの方より「やっぱり太田女子の子たちは素直で楽しい、元気がもらえる」という嬉しいお言葉を頂くこともできました。この1週間と少々、様々な事を経験し考え、それが彼女たちの個性と相まってより魅力や存在感が増しているためそのように感じられたのだと思います。今回の交流会で得たものを今後の進路や将来設計にも生かしてもらえることを期待します。

 

■交流会の様子

 

 明日はいよいよ帰国に向けての移動となります。終日移動日となりますため、報告はこちらが最終となります。ここまでアメリカでの研修を全うできたことは本当に生徒一人一人とご引率の先生のご協力、日本より支えてくださった保護者の皆様や学校の先生方のサポートをいただいたからこそ、だと実感しております。これまで報告書をご覧いただき、また事前研修から運営を支えていただきまして、誠にありがとうございました。残すは移動のみですが気を抜かずに最後まで研修をすすめてまいります。25日に全員が笑顔で学校に帰着するまで今しばらくお待ちください。

2018アメリカ研修8日目報告

8日目 2018年7月22日(日)


 いよいよボストン出発の日を迎えました。「もっとボストンに居たい」「寂しい」「途中挫折しかけたけど今は来てよかった、帰りたくない」という声が聞こえてきます。本日の天気はその生徒達の気持ちを表すかのような雨模様です。予定よりも早い7:00集合でしたが、6:30過ぎごろから、各フロア協力して荷物の運び出しを行っていました。実は寮のエレベーターは1基しかないのですがフロアは7階まであります。その為スーツケースを持っての移動は大混雑が予想されるので生徒達が事前に知恵を絞り協力して運び出す流れとなっていたようです。見事、5分前には全員が忘れ物もなく集合が出来ました。この団体行動には先生も私も驚きです。フィッシャーカレッジ出発前、今までお世話になりいつも優しく接してくれていたスタッフAshleyへ、全員のメッセージが入った色紙をプレゼント。起案、実行、渡すタイミング、全て生徒達が自主的に考え行動に移しました。これにはAshleyも顔を真っ赤にしながら1人1人へハグでお返し。フィッシャーカレッジに太田女子生徒の爪跡が十分残せたと思います。傍で見ていたこちらも目頭が熱くなる瞬間でした。

■Ashleyとのお別れ

 往路時の経由地であったニュージャージー州のニューアーク・リバティー空港に到着後、隣のニューヨークへはバスで移動となります。驚いたことに、ニューヨークは朝までは大雨だったようなのですが、到着時には太陽の光が射すほどでとてもツイていました(生徒達の元気がこの天候にしたのだと信じています)。ニューヨーク州は人口2,000万人、そのうちニューヨーク市は幅約4キロ、長さ約25キロの小さな面積に160万人ほどがおり全米No1の人口密度の高いエリアです。経済、ファッション、エンターテイメントの中心地であり24時間人が往来し、終電もありません。人種も様々、世界の一流が集まるこの街は世界中の人を魅了して止みません。
 フードコートにて早々に昼食を摂った後、タイムズスクエアにて1時間弱の散策タイムとしました。アメリカは現在夏休みの為、全米・世界各地からの観光客でニューヨークは常に混んでおり特にタイムズスクエアは様々な人種の方や言葉が飛び交っていました。観光客目当ての大道芸人やスリも多くなるのでいつも以上に注意を払わなければなりません。このような状況の中、お目当てのものを抱えて再集合場所に何事もなく集合することが出来ました。短時間では多くは回れないと踏んだ生徒達はピンポイントに行きたいところを絞り攻めたようです。いうまでもありませんが、全員5分前行動が出来ておりました。

■タイムズスクエアにて

 その後、研修の目玉の一つであるブロードウェイミュージカル「ライオンキング」を鑑賞しました。
 ブロードウェイを夢見て世界中から一流のダンサーや歌手だけでなく、舞台関係者が集まるため、全てのレベルが桁違いでオープニングから鳥肌が立つほどです。冒頭から迫力のある歌と踊りに心を奪われ、演出に大感動!勿論、全て英語ですが、体全体で雰囲気や勢いを感じることが出来ますし、リスニング力がついてきた生徒たちは、聞こえた単語をひろい意味を理解できたのではないでしょうか。何よりも、この年代で一流に触れられた経験は、彼女達に非常に大きなインパクトを与えるはずです。ホテルでの夕食後は連日の疲れもあるので各自ゆっくりと休んでもらいました。

■ライオンキングの劇場、ミンスコフシアタ―にて

 とうとう明日が最後の研修となります。ラストを飾るプログラムは国連訪問とニューヨーク群馬県人会の方々との交流会です。今後の将来像を描くとてもいい機会になるはずです。最後までトラブルが起こらないよう、気を抜かず全員で走りぬきたいと思います。

2018アメリカ研修7日目報告

7日目 2018年7月21日(土)

■寮の前の様子   

 ボストン最終日の7日目、生徒達が「一番楽しみにしていた」と言う班別自主研修の日となりました。本日も引き続き、天気に恵まれ絶好の自主研修日和です。

 朝はいつもよりゆったり10:00集合、本日はカフェテリアが閉まっていたので、スタッフからベーグル、フルーツ、ヨーグルト、オレンジジュースなどが入った軽食を受け取ります。この1週間、余程疲れが溜まったのでしょう、2部屋の4名が寝坊をしてしまい遅刻となってしまいました。自分の行動が他のメンバーに影響を与えてしまう事、何より自分の時間を無駄にしてしまっている事、遅刻をした人もそうでない人もこの次はどう行動すればいいか、をチーム全体で考えてもらい、改めて一人一人が意識して行動できるよう話しました。
 寮出発前に「無理なこと・危険なことはしない、お互いを思いやる」ことを最優先に、遅れる場合、迷った場合等何かあった場合は必ず電話をすること、そして、思い切り楽しむこと!を約束し、各班が事前に立てたプランをもとにそれぞれの場所へ出発。
 再集合時間は18:00です。時間通りに戻ってくることができるか、道に迷わないか等ドキドキしながら皆の帰りを待ちました。また、いつハプニング発生の電話が鳴るかと待機していましたが心配無用。無事全グループが時間迄に、たくさんの笑顔とお土産と思い出とともに戻ってきました。人の優しさに触れてメンバーの団結を深めつつ、ボストンを思いっきり楽しむことができたようです。しっかりとルールと時間を守って行動した皆に感謝です。

■生徒よりもらった班別自主研修中の様子

■班別自主研修を終えて
  

【1班】

【2班】

【3班】

【4班】

 ボストン最後の夕食ですが、これまでの生徒達の様子から先生とも相談し「皆なら問題ない」とお墨付きをもらい、各グループで好きなお店で食事をすることとなりました。ボストンは夜8時を過ぎても太陽が出ていますので、20:00を再集合時間に設定、スタッフからご厚意で現金で夕食代をもらい、再度ボストンの街へ出かけていきました。その後の集合時間ももちろん問題ありません。時間管理力やチームワーク、リーダーシップ等、今後必要となるスキルに磨きがかかっていることが分かります。自分たちの力で得たこの外食の機会は更に生徒達に自信を与えたのではないでしょうか。
 明日はNYへの出発日。遅刻は絶対に許されませんが、今の生徒達であればきっと問題なく集合できるはずです。実は、7:15集合にしていたところ、「今まで良くしてくれたスタッフに全員でお礼を言いたい」と申し出があり、更に余裕を持って7:00集合にすることとなりました。また、もう明日は会えないかもしれないスタッフへは全員が「thank you」と言いに行く場面も。太田女子生徒の優しさ、礼儀正しさ、自主性や積極性を垣間見ることができ胸が熱くなる瞬間でした。

 

■スタッフへお礼中の様子

NYでも素敵な出会い・経験が沢山待っています。気持ちを新たに残りの研修期間を全うできるよう、引き続きサポートしてまいります。

2018アメリカ研修6日目報告

6日目 2018年7月20日(金)


 本日も太田女子生徒の元気と比例して雲一つない快晴、外で動くと流石に汗は出ますが、とても過ごしやすい気候が続いています。
 いよいよ、語学学校の授業も最終日。最初は緊張の連続であったと思いますが、あっという間の5日間でした。「今日は3回発言した」「次はもっと授業に参加する」「今日で最後だと思うと寂しい」という声があちこちで聞こえました。昨日できなかったことを今日達成する、それぞれが方法を考え行動する自主性や積極性も増しているように思います。戦苦していた英語に関しても、授業内容が理解できとても楽しくなる、留学生との会話も初日とは比較できないほど活発です。

■クラスメイトと


 午後のアクティビティは、でフィッシャーカレッジから地下鉄で20分程度の場所にあるCambridge Side Galleriaというショッピングモールに出かけました。前日まで、タイトなスケジュールをこなしていましたので、本日の比較的ゆったりとした時間に生徒達もリラックスしている様子。道中に、フィッシャーカレッジから徒歩5ほ分どに位置するCopley Square 周辺へ。ここはボストンの民間経済の中心とも言われ周辺にはお洒落な店が並ぶニューベリーストリート、興味のそそる雑貨屋さんも沢山あります。ニューイングランド地方No1の高さを誇るジョン・ハンコック・タワー、その隣には1877年に創設されたステンドグラス装飾が美しいトリニティーチャーチが混在し新旧の融合が素晴らしい場所でもあります。1895年に造られたアメリカ最古の公共図書館「ボストン公共図書館」もあります。今回は時間の関係上、中に入ることはできませんでしたが、興味のあるグループは明日の班別自主研修で訪れてほしいと思います。その後、Cambridge Side Galleriaへ。昨日同様、今回も現地解散、フィッシャーカレッジで再集合としました。自分たちの力だけでの移動は、大きな自信と達成感を生徒に与えているようです。この自由行動時も、タイムマネジメント・協調性・主体性が必要となります。昨日の失敗を本日活かしてくれると信じフィッシャーカレッジで待機。ほとんどのグループが時間内に帰宅、多少の遅れはあったものの、問題なく再集合することが出来ました。

■トリニティーチャーチにて


■Cambridge Side Galleria にて


 イブニングアクティビティでは今週末にフィッシャーカレッジを離れる太田女子生徒をはじめ他の留学生達と合同で Graduation Ceremony が行われました。1 人1 人に修了証と記念のT シャツが渡されます。生徒達はその T シャツにお世話になった語学学校のスタッフや、1 週間共に悲喜こもごものドラマを繰り広げた留学生たちとメッセージを書き合い、残り少ない僅かな時間を楽しんでいました。外見の様子からなかなか話しかけられなかった留学生たちに勇気を出してやっと声を掛けた生徒は「とても優しかった!」とコメント。先入観で判断せずトライ&エラーをする必要性を実感したようです。到着したばかりの頃は積極的になり切れず、悔しい思いをする生徒も多くいましたが、今夜は本当に多くの生徒が楽しそうに留学生や語学学校のスタッフ達と笑い合い、時には涙し、共に良い時間を過ごしていました。それぞれの努力と、太田女子というチームの結束力がこの素敵な時間・経験を創り上げたのだと思います。
以上、6 日目の報告書と致します。

 

■夕食時

■Graduation Ceremony

2018アメリカ研修5日目報告

5日目 2018年7月19日(木)


 本日のボストンは雲一つない快晴、毎日爽やかな風が吹いており大変過ごしやすい気候が続き、日本の暑い夏を忘れてしまいそうです。
 日に日に授業に出かける生徒の顔も笑顔が増え始めています。もちろん上手くいく事ばかりではないと思いますが、それでも小さな自信に繋がっているようです。本日のしおりには、「日に日に英語が聞き取れるようになって嬉しい」「カフェテリアで座る場所を探していた留学生に、食べよう、と誘って一緒に食べた」「最初にあった不安がなくなった」などポジティブな内容が多くありました。また、昨日の振返りの話し合いを受けて、「自分と同じ悩みを持っている人がいて安心した」「出発前の柔軟な考え方・初心を思い出した」「諦めそうだったけどもう一度頑張ってみる」「もっとできることはないか探して行動する」というコメントも多く見受けられました。印象的だったのは「自分の行動が、他の友達の役に立った(参考になった)事、自分の発信したことが相手に伝わってそれがヒントとなり、自分の自信にも繋がった」というコメントです。お互いの発言や行動がうまく相乗効果を発揮しチームとしていい刺激となっているようです。

 本日の午後のアクティビティは盛り沢山でした。まずは、アメリカで起業し医療関連のマーケティング会社を経営されている松川原氏にお越しいただきました。経営者として日米両方の社会や企業を知る立場から、今高校生は何をしていくべきか、というテーマで話が進みます。今年話題となったオリンピックのパシュート選手の話を織り交ぜながら、世界にどのような流れが押し寄せているのか、アジア・IT・人工知能の台頭が著しく予測出来ないで現代社会において、今高校生は何をするべきなのか、という内容を熱くお話しいただきました。

 お話の中では、問題発見能力・問題解決能力・創造能力・構想力を磨いていくべきであることや、他人本位ではなく自分軸で考えることの大切さを説いていただいたりしました。自分の将来を自分の手で設計するには、自分には何が出来て何ができないのか、本来出来る/出来ないと思っていたことが実はできた/出来なかった、という点を知る必要があり、その見極めにはトライ&エラーが欠かせない、という内容が印象的でした。そもそも挑戦して失敗をしていかなければ何も始まらない、どんなに敏腕な企業家でもその裏では何千回もの試行錯誤を乗り越えています。この研修が成功するか否かも多くのトライ&エラーにかかっています。失敗することを恐れずどんどん挑戦して失敗をして欲しい、というメッセージをいただきました。

■松川原氏のレクチャーの様子

 

 その後は場所を移動し、引き続き松川原氏にハーバード大学案内をしていただきました。
ジョン・ハーバード像、大学の図書館としてはNO.1の蔵書を誇るワイドナー記念図書館、 メモリアルホール、卒業式が行われるハーバードヤード、記念ホールなど、興味深いお話を聞くことが出来ました。ハーバード大学の資金力や学内の図書館数(約70館!)について話が出ると、何度も生徒たちから驚きの声が上がっていました。勿論感じ方も様々かと思いますが、学び多い貴重な時間となったことは間違いありません。

 寮までの帰路は、土曜の班別自主研修の練習も兼ねて、先生ともご相談し現地解散と致しました。グループ毎に携帯電話を渡し、いつでも連絡の取れる状態+注意事項を説明し、解散。皆好きな方向へ散っていきました。結果的に時間までに帰宅したグループもいますが、時間を過ぎてしまうグループもいました。その中でも1グループは電車を降りた際にはぐれてしまいました(後に問題なく帰ってくることが出来ました)。そのようなイレギュラーの事態でも、各班が事前に遅れる連絡を入れてくれていたことが一番の安心材料となり待つことが出来ました。予期せぬ出来事にはどう対応すべきか、柔軟に動けていますので安心です。
今回上手くいかなかった事は必ず次に活かしてくれることと思います。

■ハーバード大学訪問中

 

■ワイドナー図書館前

■ステンドグラスの美しい記念ホール内にて

■ジョン・ハーバード像の前で

 

 夕食後のイブニングアクティビティは、サッカー、ボストン・コンテンポラリー・アート美術館、カフェテリアでのリラックスタイムでした。太田女子生徒はそれぞれのアクティビティに参加。サッカー組は「男子留学生と対戦をして勝った!楽しかった」と笑顔と共に戻ってきました。美術館組は、現代美術に触れ「これも芸術なのか」と感性を高めたようです。カフェテリアに残った生徒達も大健闘!各テーブルで他国の留学生を巻き込んでの交流が始まりました。持参した習字道具で留学生の友達の名前を漢字で書いてプレゼントしたり、お吸い物を振る舞ったり、UNOで遊んでいました。果敢に挑戦するも上手くいかず断られることもありましたが、やりきった後は充足感に満ちていました。

■イブニングアクティビティ

 

明日はいよいよ授業ラスト1日となります。全員笑顔で終えられるよう全力で頑張ります。

2018アメリカ研修4日目報告

4日目 2018年7月18日(水)

 

 前日とは打って変わって、研修4日目は朝から快晴、空気は乾いておりとても過ごしやすい一日でした。
 早くもボストンの研修も折り返し地点となりました。朝のカフェテリアでは慣れた顔つきで食事をする姿が見られます。徐々に留学生と食事をする生徒が決まってきました。身振り手振りで英語でお喋りをする人がいる一方で、残念ながら日本人同士で固まってお喋りをしている姿も見られます。

 本日のしおりには、「初日の授業よりもリラックスして受けることが出来た」「耳が前日より英語に慣れてきて楽しかった」「クラスメイトと話すことが出来た」という2日目の授業に対してのコメントが多くありました。しかしながら「襲ってくる睡魔に負けてしまった」という時差ボケと必死に戦っている様子もありました。3回目の授業を終えて帰ってきた生徒達に話を聞いてみると、全日よりも多くの生徒が「楽しい!」と言っており、初日の「どうしよう・・・」といった手も足も出ない状況から抜け出し始めているようです。

 午後のアクティビティでは、ボストン美術館を訪問しました。この美術館は古今東西の美術品が50万点以上収蔵されている全米でもトップクラスの規模です。通常は数日かけて鑑賞するほどの規模ですが、スケジュールの都合上約2時間での訪問となり雰囲気を感じてもらうことで精一杯でした。3グループに分かれ、限られた時間のなかでガイドブックに多く登場するモネのジャポネーゼをはじめ、セザンヌ、ルノワールなどヨーロッパ印象派や古代エジプトの展示を見に行く生徒が多かったようです。私と一緒に回ったグループは、単に絵画を見るだけでなく、じポーズを撮ってみたりと、面白い感性で鑑賞していた事が印象的でした。世界の本物に触れることが出来た今回の美術館見学がひとつのきっかけとなり、勉強だけでなく芸術や文化にも興味関心を持ち、更に知見・教養を深めていただきたいと思います。今回見られなかった作品は、週末の班別自主研修で再度訪問したり、将来再度ボストンを訪れた際に見てほしいと思います。

 

■スタッフより美術館までの行き方の説明

■ボストン美術館までの道中

■美術館にて

 

 寮に戻った後、夕食までの時間を利用して振返りの時間を設けました。というのも、しおりに留学生の交流について、授業についての悩みや自問自答が多く見られ、丁度折り返し地点であるこのタイミングで実施しようと先生とご相談しました。太田女子高校の代表としてチームでボストンに来ています。自分が難なくできている事ももしかすると、他のメンバーにとってはとても難しいことかもしれない、逆も然り。自分が今困っていること・つまずいていることを出し合いメンバー同士でどう取り組んでいくか考えました。最初こそ意見を出すことをためらっていた様子ですが、一人二人と今抱えている気持ち、悩みを出してくれました。「ゲームばかりしていて話しかけにくい」「食事の時、留学生たちが既にグループになっていて話しかけられない」「話が続かない」等など。チャレンジすれば必ずこのような壁にぶち当たります。それに対して、やる前から諦めるのか、違う策を探すのかは自分次第、この研修を充実したものにする、ひいては今後の人生を作り上げるのも自分自身です。この研修に参加しようと思った当時の自分自身の気持ち、保護者の方の思い、日本で待っている友達・クラスメイトの思い、出発式での校長先生の激励の言葉を改めて思い出してもらい、たくさんの失敗、日本では出来ない事、かかった費用以上の何か(お金がすべての物差しではないですが)を得て帰ってほしいことを伝え、数名の有志に今後の目標を宣言してもらい終了しました。

 その後の夕飯時以降は、皆の動きが違ったように見えました。それぞれ自分なりに今できることを実践してくれているように感じます。必ずしも成功する人ばかりではありませんが、それでも気持ちが伝わってきます。普段の行動も出発時と比べると格段に洗練されてきている生徒達。必要な場面で点呼を自主的に行ってくれたり、移動時も他の通行人の邪魔にならないように気を配ったりと、様々な面でキラリと光るものがあります。明日はより一層、様々なことにチャレンジし収穫が多い1日となることと期待し、本日の報告書と致します。

■夕食時

2018アメリカ研修3日目報告

3日目 2018年7月17日(火)

 

研修3日目、天気は午後から下り坂となり、ボストンでは珍しく激しい雨が降る1日となりました。カフェテリアでの朝食風景は、疲労感が溜まっているのでしょうか、昨日と比較してなんとなく日本人同士で固まっているように感じました。留学生の数は合計160名以上、太田女子生徒1人に対して約7人の計算となります。今日はどのようにして留学生と触れ合っていくのでしょうか。

■朝食時

毎日生徒達の授業中、毎日提出してもらっている“しおり”の日記部分を先生と確認しています。そちらには前日の様子について各々が感じたことが書かれています。まずは、他国からの留学生の授業態度について。授業中でもスマートフォンをいじったり、真面目に授業に参加していないように見える、とありました(もちろん、他国からの留学生全員ではありません)。日本人の授業態度と比較するとお世辞にも良い態度とは言えませんが、そんな留学生が日本人の沢山いるクラスでも積極的に、どんどん発言する姿にカルチャーショックを受けたようです。その他、食事の際に同じテーブルに座っても、自分から話しかけないと何も始まらない、盛り上がっている留学生同士の中には入っていけない、、、という感想など、待っているだけではだめだけれども、なかなか一歩が出ない、という葛藤が垣間見るこごができました。語学学校での数日間の生活、たくさん悩んで挑戦して、小さな成功を積み上げていってほしいです。
ランチ後は、世界大学ランキングで常に上位にランクインしているマサチューセッツ工科大学でのキャンパスツアーでした。「工科大学」という名称ですが、言語学や人類学などの文系科目も充実しています。東京大学理科1類から工学部生命工学化を卒業、現在MIT大学院に在学中の吉永さんにご案内いただきました。更に、ラッキーなことにたまたま居合わせた、同じく大学院に所属する鵜飼さんも急遽参加いただき、お二人でご説明いただくことが出来ました。(これも太田女子生徒の持つ強運によるものではないかと思います。)あいにくの雨でなかなかじっくりと景色や建物の外観を見ることは出来ませんでしたが、広大な基地に大学のキャンパスとは思えないようなデザイン性のある建物は生徒たちの目に新鮮に映ったようです。有名なMITのハック(いたずら)や、メディアラボの説明もしていただきました。その後実際の教室に入らせていただき、座談会形式で質疑応答タイムを設けていただきました。どうしてMITへ行ったのか、宿題の内容や大学/大学院への入学方法から、高校時代の勉強法や部活との両立方法、プライベートな話まで多岐にわたる内容で、予定していた時間を延長して貴重なお話を聞くことが出来ました。「日々の学校の授業を大切に、これが一番」というお二人のメッセージが生徒の心に刻まれたのではないかと思います。ボランティアで立候補してくれた生徒代表によるお礼の挨拶で終了
となりました。

■MITツアー中の様子

■有名なドームの前で

■質疑応答中


寮に戻り、再び多くの交流チャンスのある夕食とイブニングアクティビティ(室内スポーツとカフェテリアでのリラックスタイム)の時間となりました。多くの留学生のため、座席がうまく空いていないことも関係しているのか、本日はなかなかうまく関わりが持てないようで悔しそうな表情。このままの調子でアクティビティも終えてしまうのかと思っていたところ、昨日では見られなかった光景が。日本から持参した武器を両手に、“Hello!”と言って輪の中に入っていく生徒。最初こそぎこちない様子でしたが、首から下げている名札や辞書、身振り手振りを使って必死でコミュニケーションを取っていました。折り紙・けん玉・ウノをやっていたようで、何度も楽しそうな笑い声が聞こえてきました。その後、室内スポーツに参加していた生徒が戻ってくるなり、「楽しかった!!!」という言葉と共に楽しそうな写真を沢山見せてくれました。
まだまだどう動くべきか悩んでいる生徒も多いですが、「何かしよう、どうにかしてコミュニケーションを取りたい」という気持ちがひしひしと伝わってきます。確実に前進していることを感じられる1日となりました。この調子を維持したまま、折り返し地点である明日も更なる前進ができるよう、サポートしてまいります。以上で3日目の報告書と致します。

 

■イブニングアクティビティ中

2018アメリカ研修2日目報告

2日目 2018年7月16日(月)

 

ボストンに到着し一夜明けた研修2日目、時差ボケや疲れから朝の集合時間に間に合うか少し心配していましたが、全員時間内に集合することができました。移動時のハードスケジュールによる疲労は溜まっていても、時差や緊張であまり睡眠時間が取れず疲れた顔をしている生徒もいるものの、全員体調良好と申告してくれています。朝食会場であるカフェテリアには、すでに沢山の留学生たちが。その光景を目にした生徒達の表情が「いよいよ」といった感じで一瞬引き締まったように思いました。
FLSインターナショナル フィッシャーカレッジ校では、現在100名以上の留学生が在籍しているようです。出身国はロシア、中国、イタリア、ウズベキスタン、フランス等、常にインターナショナルな環境に身をおくことが出来ます。到着日の翌朝という事もあり、まずはお互いの様子を伺うのかと思いきや、多くの生徒達が早速留学生たちの隣へ座る姿が見られました。まずは大きな一歩ではないかと思います。

■朝食時

朝食後は緊張の授業です。太田女子生徒は事前にプレースメントテストと呼ばれるクラス分けテストを日本で受けていたため、すぐにそれぞれのクラスへ案内されました。 太女子生徒のクラスはIntermediateという中級のイン ターナショナルクラスで、高校生の中でもレベルが高いとのことです。全18レベルの内、7・9・11の3クラスに振り分けられました。授業は1日3時間、4技能(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)を総合的に学べる仕組みとなっています。他国生より太田女子生徒の割合が多いクラスもあるのですが、そのような環境の中でも休憩中に留学生に声を掛け接点をより多く持とうとしています。初めての授業を終えて帰ってきた生徒達に感想を聞くと、「・・・難しい」「留学生の発音が良く驚いた」という戸惑いの声が大半でした。まだ1日目ですので落ち込むことはありません。本日プレースメントテストを受けた他国の留学生もいますので、明日以降、更にクラスメイトが増える可能性があります。

■授業中・休憩中の様子

■ランチ中(ビザパーティー)


本日の午後のアクティビティは、ボストン市内を散策しながら建国の歴史を辿ることのできるフリーダムトレイルツアーでした。当時の服装を身にまとったプロのツアーガイドによる説明のもと約一時間半の散策です。アメリカ最古の公園・ボストンコモン、金色に輝くドームが目立つ州議事堂、建国の立役者達が埋葬されているグラナリー墓地、ボストン虐殺地跡など主要なポイントが街の至る所に点在しています。固有名詞や歴史的背景を含む解説は、とてもチャレンジングでパワーが必要となります。昼食後であることや、昨日からの疲労が重なり、眠気と戦いながら説明を聞く生徒も多くいました。幸いにも爽やかな風が吹き日本より過ごしやすい気温であった為、ボストン中心地の雰囲気と歴史を感じ取ることができたのではないかと思います。

■フリーダムトレイル中の様子

 

夕食後は、日替わりで、ショッピング、スポーツ、ゲームなど 3 種類のアクティビティが用意され自由に参加することとなります。寮で休息をとる生徒も居れば、運動着に着替え男子留学生の多い中に飛び込んでいく生徒、目を輝かせながらショッピングに出かける生徒も。起床後~就寝まで常に留学生と交流する機会が用意されている今回のプログラム。初日から物怖じせず留学生の中に飛び込む積極的な生徒が多くいましたが、流動的なスケジュールに多少戸惑い様子を伺う姿もありました。こちらでの生活も丸一日過ぎ、1 日の流れが一通り掴めたはずですので、明日は時間の有効活用をして本日より一歩進んでくれることと期待しています。

■夕食中・イブニングアクティビィ

以上、2 日目の報告書を終了いたします。

2018アメリカ研修1日目報告

1日目 2018年7月15日(日)

いよいよアメリカ研修当日、朝から日差しが強く暑さは厳しいものの、出発に相応しい晴天となりました。集合時間の10:30までに全員集合することができました。お暑い中、お集まりいただきました保護者の皆様、先生方、誠にありがとうございました。

多くの保護者・先生方に見守られながらの出発式では、校長先生とご引率の小舩先生より激励のお言葉があり、別れを告げいざ成田空港行のバスへ。空港までの道のりは大きな渋滞もなく順調に進み、車内の会話から生徒達の興奮具合が伝わってきました。予定よりも早く空港へ到着し職員のサポートの下、てきぱきと各自自動チェックイン機にて搭乗手続きを済ませました。次回からは一人でも海外へ行けるよう、チケットや電光掲示版の見方を全員で確認。それぞれ様々な思いを馳せながら搭乗までの時間を過ごし経由地のニューアークリバティー―空港へ向かいました。

■出発式

■成田空港にて

約 12 時間強のフライトを経てニューアークリバティー―空港に到着。機内では映画鑑賞やゲーム、または睡眠をとって明日からの研修に備えたりするなど、各自思い思いに過ごしてもらいました。1 日目の最大の難関であったであろう入国審査では、皆身構えていた様子でしたが、約半数の生徒は何も質問されず肩透かしを食らった生徒、逆に質問攻めになってしまったラッキー(?)な生徒もいましたが、全員問題なく入国完了。その後、乗継便の搭乗時間までフリータイムとしていましたが、その間、早くも英語でコミュニケーションをとる生徒たちの姿が。外国人の方に声を掛けられ必死で何とか伝えようと、しかし楽しそうに会話をしている光景がありました。最後は一緒に写真を撮ってもらったようです。このような一つ一つの成功体験の積み重ねが自信に繋がるのだと感じました。

■ニューアークリバティー空港にて

ボストンへはほぼ定刻で到着。これからお世話になる語学学校FLS のスタッフに出迎えられ、寮へ移動。簡単なオリエンテーション後、漸くそれぞれの部屋へ移動しました。学校を出発して丸 1 日以上、ようやく長い1 日が終了しました。生徒達はまだまだ元気です。(ボストンの夜はとても過ごしやすい気温でした)

 

■ボストン到着!

■語学学校スタッフよりオリエンテーション

 

明日から語学学校での生活がスタートします。ご引率の小舩先生からも「他人任せでなく、今何をすべきか、何をしているのかをイメージしながら行動してほしい」とメッセージをいただきました。ボストンでの滞在は有限です。気が付くとすぐに帰国です。1 分1 秒を無駄にしないようチャレンジしてほしいと思います。また、各国から集まる同年代の留学生の中でどのように切磋琢磨し頑張っていくのか、また、太田女子生徒同士どのように協力をしていくのかご報告していきます。