海外研修報告

2019アメリカ研修8日目報告

8日目 2019年 7月 7日(日)

 

 昨日、生徒同士で今日の出発について話し合ってもらいましたが、今朝はかなり早い時間からスーツケースを運び始め、結果的に予定より 10 分以上前に全員が集合。ボストン最後の朝は皆が協力的に動き、ニューヨークへ向け気持ちのいいスタートを切ることができました。フィッシャーカレッジに滞在したのは一週間でしたが、様々な経験をした分、生徒にとっては離れがたいようで、ボストンにずっといたいと言う生徒も少なくありません。生徒の一人が留学生からプレゼントを預かったという嬉しい報告もあり、仲良くなった留学生やスタッフとの別れが余計つらくなってしまいました。またボストンに戻って来たいと言う思いを抱きながら、次なる研修地ニューヨークに向け出発しました。

荷物を運び出す生徒たち

留学生から預かったプレゼントを見せる生徒

 

が、空港に到着し、チェックイン手続きをしていると思わぬ事実が判明しました。なんと天候の影響でフライトがキャンセルになってしまったのです。しかも、振替便は翌朝となっています。それでは、今日予定していたプログラムを全て諦めなくてはなりません。多くの生徒が一番と言ってもいいほど楽しみにしていたブロードウェイも今夜の予定です。今日中にニューヨークに到着する手段はないのか…ということで、飛行機ではなくバスで向かうことに。そのことを生徒に伝えると、まずは驚き、そして不安そうな様子になりましたが、あまり動揺は見せず淡々と行動に移してくれました。思わぬバスの旅となりましたが、考えてみればボストンでは地下鉄や徒歩でしたので、新鮮に感じたようです。自然豊かな風景から、ニューヨークシティに入り、大きなビルや煌びやかなお店が見え始めると、バスの中も興奮気味になりました。渋滞状況によって到着時間がだいぶ変わると聞いていましたが、本日は到着までに 6 時間かかりました。早ければ 4 間と言われていたので、かなり混雑していたようです。

お世話になったスタッフともお別れ

NYC の街並みに興味津々

 

 予定していた内容はほぼキャンセルとなってしまいましたが、ブロードウェイには何とか間に合いました。夕食はシアターの隣にあるレストランで、ハンバーガーやチキンなどアメリカらしいメニューをいただきました。

ミュージカル前のディナー

 

 そしてついに歴史あるシアターへ。席はバルコニーと呼ばれる上の席でしたが、今夜のプログラム“アラジン”の魔法の絨毯が浮かぶ様子やキャストの動きが良くわかり、夢中で見入ってしまいました。世界最高峰のミュージカルの聖地だけあり歌やダンスは当然超一流ですが、観客の歓声やリアクションも大きく、物語を盛り上げている様子も、なかなか味わえない体験です。終了後はすっかりその世界に魅了され、お土産を買わずにいられない生徒が続出。期待通り、最高の夜となりました。ニューヨークではホテル泊と言うことも、生徒にとっては楽しみのひとつとなっていましたが、予想外のハプニングで疲労もたまっている体には久しぶりの大きなベッドが一層有難いはずです。ゆっくり疲れを取り、研修最終日に向け体調を整えてもらえたらと思います。

ミュージカル終了後、興奮状態の生徒たち

お土産に殺到

シアターの前で

2019アメリカ研修7日目報告

7日目 2019年 7月 6日(土)

 

 ついにボストン最後の一日となりました。昨日の日記には、最後の授業でのこと、留学生との交流について多く書かれていました。「今までで一番話すことができた」「準備してきたものを全て出せた」「もっと英語を上達させたい」など、充実感や達成感で溢れています。初めは遠目から見ていた留学生と徐々に距離が近づき、挨拶や会話が増え、昨日は更に深い交流ができたことは見ていても感じるところでした。
 今日は班別自主研修として、班ごとに行動をしてもらいます。週末は 10:00 からブランチなので、その後、準備ができた班から出発としました。
 出発前には班長に渡している携帯電話の通話確認と、万が一はぐれてしまった時の対処法を聞きました。この研修中、生徒だけで自由に行動するのはこの日だけです。楽しんでほしいと思う反面、トラブルに巻き込まれないかと言う心配は尽きませんが、注意事項を伝えた後は生徒たちを信じ、無事の帰りを待つしかありません。
 途中で一度、安全確認と時間管理の面から連絡を入れてもらうことにしました。14:00の約束の時間には 4 班とも忘れることなく電話をくれ、順調に過ごしていることに一安心。ところが、集合時間である 18:00 の 1 時間ほど前から急な大雨に見舞われました。予想外のことに、集合時間に遅れる班が出てくることを覚悟しました。17:30 を過ぎたあたりからびしょびしょに濡れた生徒たちが続々と帰ってきます。残念ながら1 班は時間には間に合いませんでしたが、電話をしてくれていたので状況を把握することはできました。どうやら班の中で少しの時間二手に分かれて行動していたところ、合流ができなくなり時間を要したとのことでした。
 実は昨日、前田先生よりこの研修に参加する意識について改めて生徒たちに話があったところでした。ご家族、先生や日本にいる生徒さん、様々な方の思いを乗せていること、今まで先輩方が築いてきた信頼もあります。あくまで研修であるということを自覚し、これからの研修に臨んでほしいと言うメッセージでした。本日の自主研修でも一部、認識の甘さがあったように感じます。これからニューヨークでの研修が待っていることもあり、今一度気持ちを引き締め、再度研修への姿勢を見直してもらいました。
 明日は朝 7:45 に集合としています。寮には古いエレベーターが一基しかないのですが、我々が滞在しているのは 6 階と 7 階です。時間までに全員が集合できるよう、生徒たち自身で考えてもらうことにしました。明日の朝、一人一人が責任感を持って行動し、この研修の最終地ニューヨークに向けて出発したいと思います。

 

班別自主研修中の様子(生徒提供)

ボストン最後の夕食①

ボストン最後の夕食②

 

明日の集合について生徒でミーティング

2019アメリカ研修6日目報告

6日目 2019年 7月 5日(金)

 

 今日はボストンに来て一番の暑さとなりました。最高気温は 32℃と言うことでしたが、体感温度はさらに高く感じます。日本のじめじめした暑さとは違い、肌を焼くような強い日差しに汗が止まらない一日でした。
 今日は学校最後の日となりました。初日は先生が何を言っているのか聞き取れず愕然としていましたが、徐々に先生の話す英語を理解できるようになり、クラスメイトと話すことも増えてきているところでの最終日。残念な気持ちはありますが、最後の時間を楽しもうと教室へ向かいました。今日は最後の授業と言うことでテストも行われました。レベル別の英語クラスが行われたのは今日を含め 3 回でしたが、生徒たちにとっては学ぶことが多かったようで、リスニング、ライティング、スピーキング、グラマーなど一通りを確認するテストでも結果は良好。多くの生徒が高得点だったと嬉しそうでした。
 最後の授業を終えた後、今日は卒業生のために特別に様々な種類のサンドイッチを用意していただきました。初日に新入生のためにとピザを用意していただいたことを思い出します。その時は恐る恐る周りの様子をうかがっていた生徒も、今は堂々としているように見えます。
 昼食後はカフェテリアで卒業セレモニーが行われました。一人一人に修了書を手渡され、記念撮影。そしてゲーム用に用意されていた風船を一人一人膨らませ、最後にそれを投げるという、まるで大学の卒業式に帽子を投げるような光景も見られました。

ランチのサンドイッチを選ぶ生徒たち

卒業セレモニーでの一コマ

 

その後は昨日も訪れたクインシーマーケットでショッピングをした後、ボストン公共図書館に行くことになったのですが、そこで一つ課題を与えました。それは、班ごとに自分たちで図書館に行く、というもの。今まで様々なところへ地下鉄を乗り訪れましたが、常に案内人がいて、誰かについていけば到着するという状況でした。明日は班別自主研修を予定していますので、その前に地下鉄の乗り方や困ったときにどのように対処するのかと言うことを体験してもらおうと企画しました。アクティビティガイドも含め 4 名の大人はそれぞれのグループについていきますが、口は出さず最後尾で見守るのみ。様々な行き方があるのでどの方法を選ぶかも班に任せました。まず、Wifi があえてないところからの出発ですので、携帯で地図を見ることができないグループもあります。それでも印刷した地図を持っていたり、ひとまず最寄りの駅に向かいそこから路線図を見たり、アイデアを出し合っていました。携帯を使えると便利度は格段に上がりますが、急遽使えなくなる場合もあるかもしれません。そんな時にどのように対処するのか?と言うことは安全のためにも事前に考えておくべき重要なことです。班によって時間差はありましたが、全員が無事目的地に到着しました。明日を前に、チームワークについても意識することになったのではないかと思います。

クインシーマーケット前で

あまりの暑さに日陰を探す生徒たち

 道を尋ねる生徒たち

 

ボストン公共図書館

 

 図書館からフィッシャーカレッジまでも班ごとに帰ってきてもらい、夕食、そして最後のイブニングアクティビティです。実はこれまで、日本で用意をしてきた交流のためのツールをまだ出していない生徒が多くいました。今日が最後のチャンス、とこの時間にそれぞれカフェテリアに持参しました。今日、学校内にいる留学生の人数もわからないので、参加してくれる人は多くないかもしれないという不安もありましたが、FLS スタッフをはじめ、興味をひかれた留学生が徐々に集まってくれました。
 日本お菓子や浴衣の着付け、お手玉やけん玉などのおもちゃの他、特技である楽器を披露したり、留学生を楽しませようと皆必死でアピールします。
 どうやら日本のアニメを見て知ったらしく、浴衣の着付けは意外にも男子生徒に人気。着せてもらった後ポーズを決め友達同士で写真撮影を行っていました。けん玉やお手玉は、どうするのか見当もつかないようで、生徒がして見せると目を丸くして驚きの表情。何度か練習すると、勘のいい留学生はどんどん上達していきました。

浴衣の着付け

 

 その後も次々と留学生が集まり、道具がなくても互いの言葉を教えあったりして予定の時間が過ぎても終わる様子がないため、申し訳なさそうにスタッフが終了の声をかけに行きました。学校外アクティビティに参加した生徒も、一様に留学生との交流について興奮気味に報告してくれました。映画に行った生徒はブロードウェイの予習として“アラジン”を観たそうです。英語クラスの成果か、「意外とセリフも聞き取れた!」との感想も。昨日の独立記念日を一緒に過ごしたこともあるのでしょうが、留学生との会話も今日が一番盛り上がったこと、今までどうしても話せなかった留学生とようやく話せたなど、皆嬉しそうです。今まで抱えてきたもどかしい気持ちが解消された時間でした。
 明日はボストンで過ごす最後の一日です。まずは安全を第一に、仲間と共に悔いのない経験をしてほしいと思います。

浴衣を着た留学生と

お手玉に挑戦

続々と集まる留学生

お互いの言葉を教えあう生徒たち

 

2019アメリカ研修5日目報告

5日目 2019年 7月 4日(木)

 

 今日はアメリカ独立記念日、この国にとって特別な一日です。朝 8 時半に寮の前に集合すると、フィッシャーカレッジに通う他の留学生も集まって来ました。マフィンとシリアルバー、ヨーグルトなどの朝食が配られ、長い一日が始まります。まずは寮から数分のボストンコモンで朝食を食べ、スタッフから一日の説明がありました。ゲームやショッピング、そして夜は花火鑑賞と盛りだくさんの内容です。
 総勢 60 名ほどの団体なので、4 グループに分け、それぞれに FLS スタッフがつきました。太田女子は最大のグループなので、我々だけで 1 グループ、となるはずでしたが、以前から親しくしている台湾人の留学生が同じグループになりたいと申し出てくれました。彼女がいることで今日一日英語を話す機会が増えたことに、感謝をしたいです。

ボストンコモンで朝食

FLS スタッフと

 

 朝食後、まず向かったのは Forest Hills です。ガーデンやハイキングコースもある広い公園なので、ここでは 5 人以上でしたいことを選ぶことになりました。が、多くの留学生は芝生に寝転びリラックスモード。太田女子の生徒たちは散策に行ったメンバーと、残るメンバーに分かれました。しばらくするとスタッフが水鉄砲を持って登場。それに食いついたのは他国の男子学生で、まるで子どものように水をまき散らし始めました。太田女子の生徒たちの方向に飛んでくることもあり、悲鳴が上がりましたが、中には「遊びたい!」といたずらに参加する生徒も。散策に出ていた生徒たちも帰って来るなり状況を把握し、仲間に加わりました。スタッフにも容赦なく水風船をぶつける留学生の自由奔放さには負けるかもしれませんが、濡れることも構わず、走り回って午前中が終わりました。

Forest Hills の公園で

 

 昼食は街の中心部に戻り、クインシーマーケットで取りました。約 40 の飲食店が並ぶフードコートなので、何を選ぶか迷ってしまうだろうと思っていましたが、割とあっさりメニューを決めていて驚きました。クラムチャウダーやロブスターなどボストン名物よりも日本食が人気で、日本と同じ味とはいきませんが久しぶりの和食を楽しんでいました。

久々の日本食に笑顔

 

 昼食後は Assembly という駅のショッピングエリアで 2 時間ほど自由時間を取りました。
 今日は今まで関わることのなかった留学生とも交流ができるチャンスでしたが、なかなか近づくことができず、遠巻きに見ている状況が続きました。ところが一人の生徒が勇気を出して写真を一緒に撮ってもらったことをきっかけに、我も我もと声をかけ、写真撮影大会のような状態に。一度声をかけると勢いに乗ったのか、名前を聞いたりインスタを交換しようとしたり、留学生がびっくりするほどでした。生徒たちにとっては写真を一緒に撮ることが目的となっているところがありますが、これから声をかけやすくなることは間違いありません。。

留学生やスタッフとも積極的におしゃべり

 

 ショッピングのあとは、夕食をとり、いよいよ今日一日のフィナーレを飾る花火が見える場所まで移動。時間が経つにつれて人はどんどん増えていき、会場は熱気で溢れています。今か今かと待っていましたが、なかなか花火は上がらず…。生徒たちはこの待ち時間を更に留学生に話しかけるチャンスとして、新しい人脈を作って行きました。日本から持参したおもちゃや本日購入したアメリカ国旗などを手掛かりに興味をひくなど、今までは躊躇していてなかなか行動に移せなかった生徒も、限られた空間だからこそ積極的になれたのかもしれません。スタッフとも気軽に話すことができるようになり、今日一日行動を共にしたことで一気に距離が近づいていました。花火は予想していた方向とは違うところから上がり、目の前の木々が邪魔をするという残念なところもありましたが、最後に連続して上がった花火は迫力があり、歓声や拍手が自然とわきました。現地の人の愛国心を感じた一日でした。
 明日は学校最終日。あっという間の一週間で、英語クラスについて「次回こそは…」とのコメントもある中終了してしまいます。最後の一日を悔いのないよう全力で駆け抜けてほしいです。

 

花火を待つ生徒たち

待ち時間の一枚

木々の向こう側の花火

2019アメリカ研修4日目報告

4日目 2019年 7月 3日(水)

 

 ボストンは今日も日差しが強く、真夏のような気候です。昨日の英語クラスでは、「先生の言っていることが聞き取れない」「他国の留学生のレベルの高さにびっくり」と言う意見が目立ちました。クラスメイトはすべてを理解しているように見え、自分との差を気にして自信を失ってしまったり、もっと勉強をしなければ…と焦っているようにも見えます。初めての授業で様子がわからない分、耳が慣れなかったり、緊張をするのは当たり前で、先生やクラスメイトとの関係が深まれば余裕が出てくるのではないかと思います。現に、授業の終盤には先生の言っていることがわかってきたという生徒もいて、適応能力の高さを感じます。授業中にスマホをいじっていたり、おしゃべりをしたり、周りを気にしていないように見える留学生を前に「これが文化の違いか…」とカルチャーショックもあったようです。話しかけてもうまく通じず、迷惑をかけてしまった、申し訳ないと感じるところは日本人ならではの謙虚な国民性ですが、この機会に自己主張や自己表現なども彼らから学ぶのではないでしょうか。
 明日に控えたアメリカ独立記念日を前に、今日からフィッシャーカレッジ近辺も交通規制が始まり、敷地内にもポリスが待機しています。その関係で午前中の授業が終わるとすぐに敷地を出て、午後に訪れるボストン美術館(Master of Fine Arts)まで移動しました。ランチはピザかサンドイッチか?と言うアメリカ定番の選択を迫られ、生徒の希望によりピザ屋へ。ピザ以外にもハンバーガーやサラダなどのメニューの中から、それぞれ好きなものをオーダーしたところ、想像を超えるボリュームで出てくるメニューもあり、「アメリカサイズをなめていた」と若干の後悔も見えましたが、それすらも楽しい体験のようです。

FLS スタッフとボストン美術館へ

オーダーもまだ緊張気味

大きなピザと

美術館前の芝生でランチ

 

ボストン美術館では、4 つのグループに分かれ約 2 時間半をかけて館内を回りました。美術に興味がある生徒ばかりではなかったかもしれませんが、自分の知っている情報を共有したり、作品を見ながら想像を膨らませたりと目の前の作品に純粋に向き合う姿勢がありました。モネのような有名な作品から現代アートまで幅広い展示があり、あっという間に時間が過ぎ、再集合間際には慌てて家族や友人にお土産を買う生徒も多くいました。

作品に見入る生徒たち

アートの前で

ボストン美術館の前のオブジェと

 

 その後は地下鉄でノースエンドと言う地域に移動しました。時間的にはここで夕食の予定だったのですが、まだランチの余韻が残っており、それよりは散策などを楽しみたいということで班ごとに決められた区域を自由行動としました。歴史的な建造物も多く、またイタリアの雰囲気もあると言う写真好きの生徒たちにとって絶好の場所です。同行した FLSスタッフからボストンで有名なお菓子カノリの有名店を教えてもらい買って帰ってきたグループもありました。地元の人から話しかけられ日本のことを話したり、写真を撮ってもらったなど、素敵な出会いもあったようです。

ノースエンドの自由時間後の一枚

 

 明日はいよいよアメリカ独立記念日です。一昨日からコンサートのリハーサルなのか音響のチェックをしていたり、今夜はすでに花火が上がるなど明日を前に街中が賑わいを見せています。今日から独立記念日仕様のスケジュールに変わったフィッシャーカレッジですが、急な変更にも順応し、楽しむことのできるポジティブで逞しい生徒たちです。明日はどんなことを経験できるのか?と今から楽しみで仕方ないようでした。一年に一度のこの日をアメリカで過ごせると言う幸運に感謝して、明日しかできない経験をしてみたいと思います。