2018年7月の記事一覧
2018アメリカ研修4日目報告
4日目 2018年7月18日(水)
前日とは打って変わって、研修4日目は朝から快晴、空気は乾いておりとても過ごしやすい一日でした。
早くもボストンの研修も折り返し地点となりました。朝のカフェテリアでは慣れた顔つきで食事をする姿が見られます。徐々に留学生と食事をする生徒が決まってきました。身振り手振りで英語でお喋りをする人がいる一方で、残念ながら日本人同士で固まってお喋りをしている姿も見られます。
本日のしおりには、「初日の授業よりもリラックスして受けることが出来た」「耳が前日より英語に慣れてきて楽しかった」「クラスメイトと話すことが出来た」という2日目の授業に対してのコメントが多くありました。しかしながら「襲ってくる睡魔に負けてしまった」という時差ボケと必死に戦っている様子もありました。3回目の授業を終えて帰ってきた生徒達に話を聞いてみると、全日よりも多くの生徒が「楽しい!」と言っており、初日の「どうしよう・・・」といった手も足も出ない状況から抜け出し始めているようです。
午後のアクティビティでは、ボストン美術館を訪問しました。この美術館は古今東西の美術品が50万点以上収蔵されている全米でもトップクラスの規模です。通常は数日かけて鑑賞するほどの規模ですが、スケジュールの都合上約2時間での訪問となり雰囲気を感じてもらうことで精一杯でした。3グループに分かれ、限られた時間のなかでガイドブックに多く登場するモネのジャポネーゼをはじめ、セザンヌ、ルノワールなどヨーロッパ印象派や古代エジプトの展示を見に行く生徒が多かったようです。私と一緒に回ったグループは、単に絵画を見るだけでなく、じポーズを撮ってみたりと、面白い感性で鑑賞していた事が印象的でした。世界の本物に触れることが出来た今回の美術館見学がひとつのきっかけとなり、勉強だけでなく芸術や文化にも興味関心を持ち、更に知見・教養を深めていただきたいと思います。今回見られなかった作品は、週末の班別自主研修で再度訪問したり、将来再度ボストンを訪れた際に見てほしいと思います。
■スタッフより美術館までの行き方の説明 |
■ボストン美術館までの道中 |
■美術館にて
寮に戻った後、夕食までの時間を利用して振返りの時間を設けました。というのも、しおりに留学生の交流について、授業についての悩みや自問自答が多く見られ、丁度折り返し地点であるこのタイミングで実施しようと先生とご相談しました。太田女子高校の代表としてチームでボストンに来ています。自分が難なくできている事ももしかすると、他のメンバーにとってはとても難しいことかもしれない、逆も然り。自分が今困っていること・つまずいていることを出し合いメンバー同士でどう取り組んでいくか考えました。最初こそ意見を出すことをためらっていた様子ですが、一人二人と今抱えている気持ち、悩みを出してくれました。「ゲームばかりしていて話しかけにくい」「食事の時、留学生たちが既にグループになっていて話しかけられない」「話が続かない」等など。チャレンジすれば必ずこのような壁にぶち当たります。それに対して、やる前から諦めるのか、違う策を探すのかは自分次第、この研修を充実したものにする、ひいては今後の人生を作り上げるのも自分自身です。この研修に参加しようと思った当時の自分自身の気持ち、保護者の方の思い、日本で待っている友達・クラスメイトの思い、出発式での校長先生の激励の言葉を改めて思い出してもらい、たくさんの失敗、日本では出来ない事、かかった費用以上の何か(お金がすべての物差しではないですが)を得て帰ってほしいことを伝え、数名の有志に今後の目標を宣言してもらい終了しました。
その後の夕飯時以降は、皆の動きが違ったように見えました。それぞれ自分なりに今できることを実践してくれているように感じます。必ずしも成功する人ばかりではありませんが、それでも気持ちが伝わってきます。普段の行動も出発時と比べると格段に洗練されてきている生徒達。必要な場面で点呼を自主的に行ってくれたり、移動時も他の通行人の邪魔にならないように気を配ったりと、様々な面でキラリと光るものがあります。明日はより一層、様々なことにチャレンジし収穫が多い1日となることと期待し、本日の報告書と致します。
■夕食時
2018アメリカ研修3日目報告
3日目 2018年7月17日(火)
研修3日目、天気は午後から下り坂となり、ボストンでは珍しく激しい雨が降る1日となりました。カフェテリアでの朝食風景は、疲労感が溜まっているのでしょうか、昨日と比較してなんとなく日本人同士で固まっているように感じました。留学生の数は合計160名以上、太田女子生徒1人に対して約7人の計算となります。今日はどのようにして留学生と触れ合っていくのでしょうか。
■朝食時
毎日生徒達の授業中、毎日提出してもらっている“しおり”の日記部分を先生と確認しています。そちらには前日の様子について各々が感じたことが書かれています。まずは、他国からの留学生の授業態度について。授業中でもスマートフォンをいじったり、真面目に授業に参加していないように見える、とありました(もちろん、他国からの留学生全員ではありません)。日本人の授業態度と比較するとお世辞にも良い態度とは言えませんが、そんな留学生が日本人の沢山いるクラスでも積極的に、どんどん発言する姿にカルチャーショックを受けたようです。その他、食事の際に同じテーブルに座っても、自分から話しかけないと何も始まらない、盛り上がっている留学生同士の中には入っていけない、、、という感想など、待っているだけではだめだけれども、なかなか一歩が出ない、という葛藤が垣間見るこごができました。語学学校での数日間の生活、たくさん悩んで挑戦して、小さな成功を積み上げていってほしいです。
ランチ後は、世界大学ランキングで常に上位にランクインしているマサチューセッツ工科大学でのキャンパスツアーでした。「工科大学」という名称ですが、言語学や人類学などの文系科目も充実しています。東京大学理科1類から工学部生命工学化を卒業、現在MIT大学院に在学中の吉永さんにご案内いただきました。更に、ラッキーなことにたまたま居合わせた、同じく大学院に所属する鵜飼さんも急遽参加いただき、お二人でご説明いただくことが出来ました。(これも太田女子生徒の持つ強運によるものではないかと思います。)あいにくの雨でなかなかじっくりと景色や建物の外観を見ることは出来ませんでしたが、広大な基地に大学のキャンパスとは思えないようなデザイン性のある建物は生徒たちの目に新鮮に映ったようです。有名なMITのハック(いたずら)や、メディアラボの説明もしていただきました。その後実際の教室に入らせていただき、座談会形式で質疑応答タイムを設けていただきました。どうしてMITへ行ったのか、宿題の内容や大学/大学院への入学方法から、高校時代の勉強法や部活との両立方法、プライベートな話まで多岐にわたる内容で、予定していた時間を延長して貴重なお話を聞くことが出来ました。「日々の学校の授業を大切に、これが一番」というお二人のメッセージが生徒の心に刻まれたのではないかと思います。ボランティアで立候補してくれた生徒代表によるお礼の挨拶で終了
となりました。
■MITツアー中の様子
■有名なドームの前で
■質疑応答中
寮に戻り、再び多くの交流チャンスのある夕食とイブニングアクティビティ(室内スポーツとカフェテリアでのリラックスタイム)の時間となりました。多くの留学生のため、座席がうまく空いていないことも関係しているのか、本日はなかなかうまく関わりが持てないようで悔しそうな表情。このままの調子でアクティビティも終えてしまうのかと思っていたところ、昨日では見られなかった光景が。日本から持参した武器を両手に、“Hello!”と言って輪の中に入っていく生徒。最初こそぎこちない様子でしたが、首から下げている名札や辞書、身振り手振りを使って必死でコミュニケーションを取っていました。折り紙・けん玉・ウノをやっていたようで、何度も楽しそうな笑い声が聞こえてきました。その後、室内スポーツに参加していた生徒が戻ってくるなり、「楽しかった!!!」という言葉と共に楽しそうな写真を沢山見せてくれました。
まだまだどう動くべきか悩んでいる生徒も多いですが、「何かしよう、どうにかしてコミュニケーションを取りたい」という気持ちがひしひしと伝わってきます。確実に前進していることを感じられる1日となりました。この調子を維持したまま、折り返し地点である明日も更なる前進ができるよう、サポートしてまいります。以上で3日目の報告書と致します。
■イブニングアクティビティ中
2018アメリカ研修2日目報告
2日目 2018年7月16日(月)
ボストンに到着し一夜明けた研修2日目、時差ボケや疲れから朝の集合時間に間に合うか少し心配していましたが、全員時間内に集合することができました。移動時のハードスケジュールによる疲労は溜まっていても、時差や緊張であまり睡眠時間が取れず疲れた顔をしている生徒もいるものの、全員体調良好と申告してくれています。朝食会場であるカフェテリアには、すでに沢山の留学生たちが。その光景を目にした生徒達の表情が「いよいよ」といった感じで一瞬引き締まったように思いました。
FLSインターナショナル フィッシャーカレッジ校では、現在100名以上の留学生が在籍しているようです。出身国はロシア、中国、イタリア、ウズベキスタン、フランス等、常にインターナショナルな環境に身をおくことが出来ます。到着日の翌朝という事もあり、まずはお互いの様子を伺うのかと思いきや、多くの生徒達が早速留学生たちの隣へ座る姿が見られました。まずは大きな一歩ではないかと思います。
■朝食時
朝食後は緊張の授業です。太田女子生徒は事前にプレースメントテストと呼ばれるクラス分けテストを日本で受けていたため、すぐにそれぞれのクラスへ案内されました。 太女子生徒のクラスはIntermediateという中級のイン ターナショナルクラスで、高校生の中でもレベルが高いとのことです。全18レベルの内、7・9・11の3クラスに振り分けられました。授業は1日3時間、4技能(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)を総合的に学べる仕組みとなっています。他国生より太田女子生徒の割合が多いクラスもあるのですが、そのような環境の中でも休憩中に留学生に声を掛け接点をより多く持とうとしています。初めての授業を終えて帰ってきた生徒達に感想を聞くと、「・・・難しい」「留学生の発音が良く驚いた」という戸惑いの声が大半でした。まだ1日目ですので落ち込むことはありません。本日プレースメントテストを受けた他国の留学生もいますので、明日以降、更にクラスメイトが増える可能性があります。
■授業中・休憩中の様子
■ランチ中(ビザパーティー)
本日の午後のアクティビティは、ボストン市内を散策しながら建国の歴史を辿ることのできるフリーダムトレイルツアーでした。当時の服装を身にまとったプロのツアーガイドによる説明のもと約一時間半の散策です。アメリカ最古の公園・ボストンコモン、金色に輝くドームが目立つ州議事堂、建国の立役者達が埋葬されているグラナリー墓地、ボストン虐殺地跡など主要なポイントが街の至る所に点在しています。固有名詞や歴史的背景を含む解説は、とてもチャレンジングでパワーが必要となります。昼食後であることや、昨日からの疲労が重なり、眠気と戦いながら説明を聞く生徒も多くいました。幸いにも爽やかな風が吹き日本より過ごしやすい気温であった為、ボストン中心地の雰囲気と歴史を感じ取ることができたのではないかと思います。
■フリーダムトレイル中の様子
夕食後は、日替わりで、ショッピング、スポーツ、ゲームなど 3 種類のアクティビティが用意され自由に参加することとなります。寮で休息をとる生徒も居れば、運動着に着替え男子留学生の多い中に飛び込んでいく生徒、目を輝かせながらショッピングに出かける生徒も。起床後~就寝まで常に留学生と交流する機会が用意されている今回のプログラム。初日から物怖じせず留学生の中に飛び込む積極的な生徒が多くいましたが、流動的なスケジュールに多少戸惑い様子を伺う姿もありました。こちらでの生活も丸一日過ぎ、1 日の流れが一通り掴めたはずですので、明日は時間の有効活用をして本日より一歩進んでくれることと期待しています。
■夕食中・イブニングアクティビィ
以上、2 日目の報告書を終了いたします。
2018アメリカ研修1日目報告
1日目 2018年7月15日(日)
いよいよアメリカ研修当日、朝から日差しが強く暑さは厳しいものの、出発に相応しい晴天となりました。集合時間の10:30までに全員集合することができました。お暑い中、お集まりいただきました保護者の皆様、先生方、誠にありがとうございました。
多くの保護者・先生方に見守られながらの出発式では、校長先生とご引率の小舩先生より激励のお言葉があり、別れを告げいざ成田空港行のバスへ。空港までの道のりは大きな渋滞もなく順調に進み、車内の会話から生徒達の興奮具合が伝わってきました。予定よりも早く空港へ到着し職員のサポートの下、てきぱきと各自自動チェックイン機にて搭乗手続きを済ませました。次回からは一人でも海外へ行けるよう、チケットや電光掲示版の見方を全員で確認。それぞれ様々な思いを馳せながら搭乗までの時間を過ごし経由地のニューアークリバティー―空港へ向かいました。
■出発式
■成田空港にて
約 12 時間強のフライトを経てニューアークリバティー―空港に到着。機内では映画鑑賞やゲーム、または睡眠をとって明日からの研修に備えたりするなど、各自思い思いに過ごしてもらいました。1 日目の最大の難関であったであろう入国審査では、皆身構えていた様子でしたが、約半数の生徒は何も質問されず肩透かしを食らった生徒、逆に質問攻めになってしまったラッキー(?)な生徒もいましたが、全員問題なく入国完了。その後、乗継便の搭乗時間までフリータイムとしていましたが、その間、早くも英語でコミュニケーションをとる生徒たちの姿が。外国人の方に声を掛けられ必死で何とか伝えようと、しかし楽しそうに会話をしている光景がありました。最後は一緒に写真を撮ってもらったようです。このような一つ一つの成功体験の積み重ねが自信に繋がるのだと感じました。
■ニューアークリバティー空港にて
ボストンへはほぼ定刻で到着。これからお世話になる語学学校FLS のスタッフに出迎えられ、寮へ移動。簡単なオリエンテーション後、漸くそれぞれの部屋へ移動しました。学校を出発して丸 1 日以上、ようやく長い1 日が終了しました。生徒達はまだまだ元気です。(ボストンの夜はとても過ごしやすい気温でした)
■ボストン到着! |
■語学学校スタッフよりオリエンテーション |
明日から語学学校での生活がスタートします。ご引率の小舩先生からも「他人任せでなく、今何をすべきか、何をしているのかをイメージしながら行動してほしい」とメッセージをいただきました。ボストンでの滞在は有限です。気が付くとすぐに帰国です。1 分1 秒を無駄にしないようチャレンジしてほしいと思います。また、各国から集まる同年代の留学生の中でどのように切磋琢磨し頑張っていくのか、また、太田女子生徒同士どのように協力をしていくのかご報告していきます。