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2019アメリカ研修9日目報告(最終)

9日目 2019年 7月 8日(月)

 

 ボストンでは毎日真夏のような暑さでしたが、ニューヨークの朝は涼しさすら感じます。
 昨日キャンセルした行程を今日に移した関係で、当初の予定より一時間早くホテルを出ることになりました。外はあいにく小雨が降っていましたが、休息をしっかりとり、豪華なホテルの朝食を食べた生徒たちは気持ちも体もリフレッシュしたようで、清々しく研修最終日をスタートさせました。

ホテルでの朝食

 

 最初に訪れたのはセントラルパーク。雨が降っていてもジョギングや犬の散歩をする人が多くいました。人気のスポットまで案内していただきましたが、天候のせいか人はまばら。映画のロケなどでも使われるというこの場所は普段、歩きづらいくらい混むと言いますので、雨でも悪いことばかりではありません。ゆっくりと楽しむことができました。
 そこから車で 5 分ほどでバッテリーパークに到着。あの「自由の女神」を臨むことができる公園ですが、この雨の中、見られるかどうか?見られればラッキーと思って歩いていくと、遠くにしっかりその姿を見ることができました。写真にとると何かわからないくらいの小さな姿なのですが、肉眼ではしっかりと斜め後ろからの姿を確認でき、生徒たちも皆感激していました。

雨のセントラルパーク

後ろに小さく「自由の女神」

 

 そして、ワールドトレードセンター跡地。あの 9.11 テロで倒壊したビルがあった場所には現在、水をたたえる記念碑があります。犠牲になった方々の名前が刻まれており、その膨大な数には改めて衝撃を受けました。日本人の名前も見つけることができます。アメリカに滞在し様々な国の人と交流し、世界がどんどん近くに感じている生徒たち。彼女たちにとっては生まれる前の話ですので実感がないかもしれませんが、この場所を訪れたことで今後は自分たちと無関係ではないと感じるのではないでしょうか。

9.11 テロ跡地

 

 その後に訪れたニューヨーク公共図書館は歴史のある建築で、内装も美しくまるで美術館ではと思ってしまうほどです。入口にある二頭のライオンの像は生徒たちも「見たことがある!」。豪華な館内は、映画でもよく使われると言われて納得です。
 図書館のすぐ近く、グランドセントラル駅ではメインコンコースの天井が一番の見どころ。
 数年前に改修したという星座をモチーフにした美しい天井画は規模が大きく、それだけで一見の価値があります。長距離列車の発着駅でもありますが、現地の人は通勤でも利用する駅です。図書館も駅も日常的に使う場所がこのような歴史的建造物だなんてうらやましくなります。

ニューヨーク公共図書館

グランドセントラル駅

 

 午後は生徒の中でも関心が強かったニューヨーク国連本部への訪問です。中に入るために厳重なセキュリティを通り、見学者であるリストバンドを着用。敷地内には加盟国から贈られた記念物が数多く飾られており、それらを見ているだけでも興味深いものがあります。生徒たちは一時間ほどのツアーに参加しました。国連の様々な活動内容がパネルを使って紹介されていきます。日本人にとって関心が強い広島・長崎の原爆については一層集中力が高まったように見えました。原爆の熱風を後ろから浴びたという石像もあり、その恐ろしさを伝えています。世界の軍事費用をリアルタイムで伝えるパネルには毎秒変わる金額の表示があり、その額に驚愕。このように目で見て理解しやすい展示が多くありました。
 実際に使われている会議場に足を踏み入れると「ニュースでよく見るところ!」との声が上がりました。座席には通訳の声を聴くイヤホンが設置されていることに気づいたり、興味津々な様子で会場内を見渡していました。ツアーは英語で行われたので、すべてを聞き取れるわけではありません。ですが、大事な単語は残るようで、時々ガイドの方から質問をされ
ると、口々に英語で返答し、一週間の英語レッスンの成果もあるように感じました。
 ツアーの後は、日本人職員の方によるレクチャーがありました。先ほどのツアーで理解が難しかったことも改めて日本語で聞くことができました。国連とは何か?と言う問いに「平和を守る」「人権を守る組織」などの意見が出ます。それらに答えながら、国連の歴史や活動内容についてざっくばらんに語っていただきました。国連で働くには?の質問には試験もあるが、海外での就労体験や専門知識も必要と具体的なアドバイスもいただきました。

国連ツアー

日本人職員の方のレクチャー

 

 国連訪問を終え、夕食までの時間はタイムズスクエアへ。ニューヨーク一にぎわう観光地ですが、危険も隣り合わせ。時間も限られているので、まずは全員でおみやげ物を扱うお店へ。
 NY のロゴの入った雑貨や服など、いかにもなお土産を買いたいという生徒の希望通りの商品が目白押しで、30 分の予定でしたがぎりぎりまでショッピングを楽しみました。その後、希望者にはディズニーストアやスターバックスにも案内をし、それぞれ事前に調べてきたというお目当てのものを購入していました。

 

 今日、というより、この研修最後のプログラムはニューヨークで働く日本人の方との交流会です。レストランで夕食を共にしながら多くのお話を伺いました。今回参加いただいた三名の方は、それぞれメーカー勤務や、留学生サポート、人材派遣など職種は様々ですが、ニューヨークで生活をされていて、中には太田女子高校卒業生もいらっしゃいました。なんでも聞いて!と言って下さり、生徒たちは英語の勉強について、アメリカでの生活について、仕事についてなど思いつくまま質問攻めに。ゲストの方は食事をとることもままならないほどです。海外で生きることへの憧れもありますが、実際に一週間アメリカで過ごしてみて、まだまだそれは難しいことのように感じていた生徒もいます。ですが、目の前にいる素敵な先輩方もかつては自分たちと同じように戸惑い、悩み、失敗したこともあると聞くと、俄然現実的に考えられるようになったようです。外国で生活してみて起こったエピソードには驚くようなことも多く、皆夢中で話を聞き入っていました。食事を終えても話は尽きませんでしたが、タイムリミットが近づき、最後に生徒代表から感謝の言葉を伝えました。「いろいろな話を聞くことができ、とても参考になった。今日聞いたことを今後の人生に活かしたい」。この思いは他の生徒たちにも共通していたようで、レストランからホテルへ戻る道すがら、今日で将来が変わるかも、と言う生徒もいました。この研修が生徒の将来に繋がっていく道を作っていただいたのだと感じました。

交流会の様子

 

話は尽きず

生徒からお礼の言葉

 

 昨日はフライトキャンセルに伴いニューヨークでのスケジュールを大幅に変更せざるを得なかったため、今日は昨日分の予定も盛り込み、一日で多くの場所を訪れました。短い時間でしたが、ニューヨークと言う大都市を目の当たりにし、その規模の大きさ、慌ただしさにすでにボストンが懐かしく思い出されます。明日はいよいよ、アメリカを発ちます。朝 4:00集合と言うハードな一日ですが、多くの経験を経て一回りも二回りも成長した姿を早く見ていただきたいと思います。